人気ブログランキング | 話題のタグを見る

市山くじらや 

行きたい展覧会

うかつでした。今、岐阜県美術館で『走泥社 再考』展が開催中・・・2月18日まで。
八木一夫『ザムザ氏の散歩』本物を一度は見てみたいと常々思っていたのです。
フランツ・カフカ『変身』の主人公ザムザをモチーフにした作品です。

『走泥社』(そうでいしゃ)は大学時代に習った金ヶ江和隆先生が走泥社出身ということで存在を知りました。
簡単にいえば非実用の「オブジェ焼き」を広めた前衛陶芸家集団の名称です(1948年~京都にて)
金ヶ江先生は私が大学を卒業した年の12月に病気で急逝されました。
在学中は作陶しつつもおしゃべりしたりだらだらと作業部屋に入り浸っており、そこでもくもくと大きなオブジェを作る先生の姿が思い出されます。陶芸の仕事を始めてから、もしもご存命ならいろいろとお話を伺いたかったなと思うことが増えました。

走泥社について体系的に知りたいと思っていたのでこの展覧会にもっと早く気が付かなかったのかとがっかりしていたら・・・検索していると岐阜県美術館の後に「岡山県立美術館、東京の菊池寛実記念 智美術館に巡回する。」とあるではないですか!
金ヶ江先生の作品も展示されているようなのでどこかで観に行こうと思います。
行きたい展覧会_e0203580_16374363.jpg
12日月曜日は振替休日ですが10時~12時までの営業です。土日が10時~17時までの営業。基本的に曜日で営業時間が変わります。
2月13日は告知通り終日休みです。




# by ichiymakujiraya | 2024-02-10 19:11 | 陶芸

2月前半の営業日程のお知らせです

2月前半の営業日程です。
基本的に月~金10~12時土日は10~17時の営業です。
が、
2月1日木曜日 ★2月4日日曜日 ★2月13日火曜日 は終日休みます。
2月前半の営業日程のお知らせです_e0203580_00352757.png
昨日はヨガクラスに行ってきました。
仕事で粘土の再生作業をしているせいか前傾姿勢が多いので、肩回り、肩甲骨周りを伸ばせて元気になった気がします。
先生の言うとおりに体を動かすので次に何をやればいいか考えなくてよいから自分の動きに集中できます。
要所要所で「深い呼吸を続けて~」「脱力~」と言われるので呼吸が浅くなっていることとか、要らない力が入っていることに気づきます。
日常生活でストレスため込みやすい状態ってこれなんだなきっと。ヨガクラスの時に思い出すだけでいつも忘れてしまう。
いつかは深呼吸と脱力を習慣にできるようにしたいです。


# by ichiymakujiraya | 2024-01-31 09:07 | 陶芸

日々OPENしています 2月1日は休みます

まずは店休日のお知らせです。
2月1日木曜日は終日休みます。他の日は店は月~金10~12時土日は10~17時の営業です。

今日は天草マラソン大会の日でした。
私は~お店を開けてますがのんびり珈琲とお菓子の時間も取ったりしながら、マラソン人には朝から昼にかけてお天気も回復してきてよかったなぁと思って過ごしました。(マラソン人(びと)は五輪真弓さんの『恋人よ』の歌詞に出てきます。広まってもよい言葉と思う反面、歌の中で出会うのがいいのかもしれないと思ったりします)
今日のおやつは久しぶりにすわや菓舗さんの『味一すじ』という餡入りの落雁にしました。美味しいのと模様が楽しみなお菓子。包み紙を開けると・・・梅の花でした!(梅ですよね?)
私は家の中から見られる梅の花の様子を観察する毎日で、そろそろどこかに出かけたいと思っていたところにちょうどいい幸運をもらえました。
日々OPENしています 2月1日は休みます_e0203580_16034708.jpg
家の前の梅の花はこんな感じです。
日々OPENしています 2月1日は休みます_e0203580_16154096.jpg

天草では穏やかな一日を過ごせておりましたが朝から関東の方での震度4の地震のニュースがありました。
もうすぐ1月も終わり。年明けからいろいろと大変なひと月だったなと思います。

いつだったかな?おととしか去年の初めごろから読んでいる『スキップとローファー』という漫画がとても面白くて、そうしていたら2023年の春ごろにはアニメも始まって、どちらもとっても良かったんです。で、主人公のみつみちゃん(東京で高校生活を始めてる)が石川県の珠洲出身なんですよね。
能登半島地震が起こってすぐにそのことを思い出しました。
みつみちゃんが夏休みに帰省して過ごす何でもない様子を描いている回があって(この場面はアニメが印象に残っています)九州と離れているけれど同じように海が近かったり、夏の日差しと蝉の声、実家で食べるスイカとごろごろしている時間、特に何も起こらないのだけど珠洲の土地がすごく身近に感じられました。
石川県は行ったことがないけれどこの作品きっかけで珠洲への交通ルートを検索したりしてた分、地震のニュースがよりショックでした。いつか行きたいな。他には寄付をどこにしたらいいかなとか政治がどうかとか今の状況についてとか情報も入れていきたい。

『スキップとローファー』アニメは区切りがいいところで一旦終わってますが漫画は連載中です。中高生のころに出会いたかった作品です。






# by ichiymakujiraya | 2024-01-28 18:18 | 陶芸

新年いかがお過ごしでしょうか 店の営業日やお知らせなど

ごぶさたしております。
ブログの更新をしないままに新年が明けて久しぶりの投稿が七草粥を食べる節句の日になりました。
大変遅くなりましたが、旧年中にブログや直接展示会、ご来窯いただいた方には大変お世話になりました。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

1月16日(火)から店を開けます。基本は土日は10時~17時 月~金10時~12時の営業時間です。
現在の在庫状況についてお知らせしますと、昨年の秋の陶磁器展が終わってから窯焚きをしましたがいろいろと器の種類が取り揃っておりません。
一点ものの大皿はいくつか焼きましたが定番の寸皿や飯碗類はまだ出来上がっておりません。花器やカップ類多めです。ご来窯の際はどうぞご了承くださいませ。
店休日の予定はまたお知らせします。
新年いかがお過ごしでしょうか 店の営業日やお知らせなど_e0203580_16220956.jpg
もうひとつ、遅ればせながら、昨年シェアしておきたかったお知らせがあります。
熊本市内のヘッドスパのお店釈迦頭さんからのご依頼でアロマディフューザーの器を制作しました。和紙にアロマオイルを染み込ませて器に入れておくというものです。
まんまるの器。いつもは一輪挿しで作っているものですが今回のテーマに沿って模様のことやサイズのことを調整したり写真撮影やパッケージなどデザイナーさんにもお世話になりました。窯出ししてすぐ並べるのとはまた違ってよい経験になりました。
私は陶、ほかに木工とステンドグラスの作り手の方の器が選べます。アロマオイルは陰と陽の2種類。いい香りでした。すぐにこちらは陽の香り、こちらは陰の香り、と分かって面白かったです。【陰 / 陽アロマ】と大地の器というマクアケのサイトでお申し込み出来ます。
昨年の12月の初めから始まっていたのですが告知が遅くなってしまいました。まだ間に合いますのでチエックされてみてください。

この制作のご依頼を機にヘッドスパを体験してみたら、とーっても良かったです。頭浸浴というのがまた気持ち良かったですよ。私は美容のことに無頓着な方だと思うし、関心をもっても興味もやる気も長続きしない。でも今回、たまのヘッドスパっていいなと思いました。
あと、昨年の9月からかな?美容関係の仕事をしている友人に教えてもらった泡洗顔をずっと続けられています。自分でも意外です。しっかり泡立ててあーしてこーして(手順あり)ぬるま湯で洗う。これで吹き出物が出来にくくなったし、なによりさっっっぱり気分がいいのです。「気分転換して」なんてよく言うけれど「そんなに〈気分〉て〈転換〉するの?」と自分で言ってても今までは内心半信半疑でした。でも泡洗顔はまさにそれ。ぬるま湯で洗うのがこんなにさっぱりするなんて知りませんでした。
ささやかだけど容易にいい気分になることがひとつでもあるのはラッキーです。続けられるようにそろそろ努力は必要になってくるかもしれませんが。

# by ichiymakujiraya | 2024-01-07 18:13 | 陶芸

第19回 天草大陶磁器展 備忘録

天草大陶磁器展が終わったあとは毎回5、6回に分けて備忘録を投稿しているのですが今回は長い1回にしました。よろしかったらお暇なときにでもお読みください。
11月1日水曜日
この日は搬入日。早めの昼ご飯を食べて市民センターへ向かうと各地から到着した出展者のみなさん準備中。いよいよ始まるって実感が湧いてきます。
第19回 天草大陶磁器展 備忘録_e0203580_13552430.jpg
第19回 天草大陶磁器展 備忘録_e0203580_17080064.jpg
自分の場所のディスプレイの目処がついたらお花屋さんに買い物に行くのがいつものルーティン。花器に花を活けると準備も終盤。こんな感じで並べました。
第19回 天草大陶磁器展 備忘録_e0203580_22090347.jpg
第19回 天草大陶磁器展 備忘録_e0203580_22134198.jpg
昨年まで文化交流会館で展示していた「子ども作陶体験事業作品展」が今年は市民センター展示ホールに展示されることになり、こちらの作品の搬入と展示もしました。天草市内の窯元で分担して各学校に出向き小学校6年生に作陶と絵付け体験のサポートをしてひとりにひとつ作品を作ってもらいました。
私は楠浦小学校と御所浦小学校を担当。粘土も釉もそれぞれの窯元が選んでおり、私の場合は、陶芸体験であまり扱わない磁器土を良い機会なので使うことにしています。
第19回 天草大陶磁器展 備忘録_e0203580_22064944.jpg
小学生の作品展の会場の展示ホール前の展示ケースでは天草在住の妖怪絵師 マツモトマサヒデ(あやかし堂)さんの展示。私の知る範囲でも十年以上ずっっと妖怪の絵を描き続けていらっしゃいます。一度見たら忘れない絵ですし継続していることがすごいです。以前はアマクサローネに参加していただいていたので今回もこういう形で展示いただき良かったです。貼ってある絵が微妙に斜めになっているのも妖怪世界の時空に入り込んだみたいでした。

会場内のあちらこちらに設えた「お花と陶芸家の花器のコラボレーション」はご覧いただけましたか?カフェコーナーの横の水の平焼 岡部祐一氏が学生時代に制作した特大の器に活けたお花は目を引きました。市山くじらやの花器には前田窓梢さんが活けてくださっていて、お客様から良かったよとお声がけいただいたこと嬉しかったです。搬入日はくじ引きの景品の納品もします。お買い上げ3000円ごとに一回ガラポン抽選できるというもの。あれもこれも焼き物尽くしのイベントなのです。
第19回 天草大陶磁器展 備忘録_e0203580_22044054.jpg
体育館への搬入の合間にカドノクワダテ2023の会場の丸尾焼さんに自分のカドを持って行きました。自分のカド、といっても私が作ったのではなくて2002年に天草丸尾焼に滞在、制作したアーティスト五十嵐靖晃氏の作品です。(詳しくはリンク先をお読みください)結局この日に渡しに行ったきり会場に行けないまま会期が終わってしまったのが残念。搬入日にもう少し観ておきたかったです。ずっとアーティストを続けているから出来たことですし、21年ぶりに再会するアートプロジェクトになるとは思いがけない朗報でした。2002年の時の私が投影されているけれど預かっている作品という気持ちもあって大切にしています。今年の風にあたって手元に戻ってきた「カド」、ユニークな存在です。

11月2日木曜日
天草大陶磁器展初日。8時50分から朝礼。9時からオープニングセレモニー。それなりにバタバタしながらも出席。
第19回 天草大陶磁器展 備忘録_e0203580_13534128.jpg
今年の5月に丸尾焼五代目窯元 金澤一弘氏が逝去されました。陶磁器展を企画運営する天草陶磁器の島づくり協議会初代会長でもあり私の師匠です。
水の平焼八代目窯元 岡部祐一氏が就任して初めての開催です。陶磁器展のパンフレットに新会長として岡部さんが寄稿された所信表明を読み、開催の挨拶を目の当たりにすることで実感するものがありました。初期の頃から振り返ってみると色んなことがあったなあ。どんな思いで臨んでいるかは隅々に影響するもので、オープニングセレモニーや陶磁器展に関して何年も練り上げてきた幾多のステイトメントを組み上げて今日を迎えられていることも思いました。

ご来賓には天草市と交流連携協定を結んでいる愛知県瀬戸市市長 川本雅之氏など各界からご出席され、テープカットのあとオープン!11月にしては暖かく快晴でよいスタートが切れました。天草と県内外から集まった92窯が出展された会場にはTKUさんの朝の情報番組「かたらんね」の中継も入って平日ながら初日の賑わいでした。写真の奥左が入口で中央が総合レジ。右奥に包装コーナー。ブースごとに販売や包装のスペースを取らなくていいのでうつわの展示だけでよいのと出展者にとってはお客さまとお話出来たり休憩も取りやすいです。レジやカフェコーナーのスタッフの方もてきぱきお仕事されて心強いです。
その上、短い休憩の合間を縫ってうつわを見に来てくださった方もいて嬉しかったです。いい環境で出展できました。
第19回 天草大陶磁器展 備忘録_e0203580_16262575.jpg
カフェコーナーの珈琲はサイフォンで淹れています。2日3日は佐野俊郎珈琲も開催。こちらはハンドドリップ。どちらにも小豆(こまめ)カフェさんのクッキー付きなんですが美味しくてお気に入り。ゆっくり飲めないときはマイボトルに入れてもらいました。美味しい珈琲が飲める幸せな職場でした。
カフェコーナーのスタッフによるフラッシュモブは今年も存続。毎年曲も踊りも一新していて、カフェ担当の窯元「工房 樹機」さんが振付から考えていらっしゃいます。
第19回 天草大陶磁器展 備忘録_e0203580_14555707.jpg
※持ち帰ったこまめカフェさんクッキー、後日ゆっくり珈琲といただきました。

お昼ごはんはいつも屋台村へ。知人に勧められたので豪華に鰻のお寿司にしました。おいしゅうございました!
屋台村、物産展にB級グルメではなくA級グルメというキャッチコピーにしたのは前金澤会長で、毎年とてもいいと思うし気持ちよく買い物出来ます。

市民センター体育館の器の展示即売会場は午後17時までの営業。
この日は 18時から講演『思い出の金澤一弘さん最終講義 in 九州大学 「創作は想作」藤原惠洋氏 金澤一弘氏を語る』を聴講しました。陶芸関係者だけでなく色んな方が観覧に来られている様子。藤原先生は語彙も豊富に語られてゆうに2時間超えていたのではないでしょうか。ただただ傾聴していたのですが藤原先生の話を通じて聴く金澤さんの言葉に心の中ではあーだこーだと対話していたような感覚です。
ミーティングや飲みの席でひとりひとりにあてて話をさせるのが金澤さんの習慣で、あえて発破を掛けるようなこともよくありました。その繰り返しで自分を見つけてきたのではなかったか、影響を受けるというよりも自立を促すようなものではなかったか、など逡巡しました。
藤原氏のご厚意で希望者には後日講演で使用されたデータを送ってくださって、窯元日記からの抜粋もいくつか。ほぼ毎日更新されていた頃までは読んだ記憶があるけれどどうだろう、今でも読めるようですので、また。加えて、金澤氏が2000年に編集した本の改訂版を2022年に上梓された「天草の陶磁器 過去 現在 未来 2022」ご紹介しておきます。天草陶磁器の歴史や(例えば交流連携協定を結んだ瀬戸市とのご縁なども)現在の天草の産地としての姿など網羅的に知ることが出来ます。おそらく丸尾焼さんで購入できると思いますのでご興味のある方は是非ご一読おすすめいたします。
第19回 天草大陶磁器展 備忘録_e0203580_22000121.jpg
第19回 天草大陶磁器展 備忘録_e0203580_22021540.jpg
11月3日金曜日
文化の日、祝日、会期中一番の賑わい。昨年はレジ前に長蛇の列が出来てお会計が長時間かかってしまうことがあって、運営側で話し合ってお会計と包装を分ける対策を取った結果、前年よりもかなりスムーズになりました。事前に天草以外の出展窯元さんからも手伝いたいとお申し出があり混雑の際の備えも出来ました。このようなイベントではおそらく珍しい総合レジが、より盤石の体制になった感があります。陶丘工房さんがレジ周りで色々と調整してくださいました。
会場内に設置しているお客様アンケート用紙の感想も、運営側の励みになったり問題点や改善点を知る貴重な機会ですので来年もご協力お願いいたします。
あ、そういえば、今回トランシーバーを取り入れて、特に市の職員の方は対応にあっちこっちと動く際に頻繁に使うし、窯元との連携も取りやすくなりました。

さて、3日・4日・5日の連休はワザワザ天草コーナーでは日替わりで南蛮手まりの販売、天草土人形の絵付け体験、天草凧の会の絵付け体験ができました。
陶芸ではろくろ体験が出来ました。初心者の方でも出展窯元が優しくサポートしてくれますよ。焼き上がり後お渡し。毎年人気のコーナー。
第19回 天草大陶磁器展 備忘録_e0203580_22010379.jpg
もう一つの陶芸体験は、今年初めて登場した「絵付けしてトンネル窯で焼いてみよう」コーナー。
絵付けした小さなピースを約1時間ほどの時間で窯に入れて焼いて冷ましてお持ち帰りいただけるというものです。
珍しい小さなトンネル窯を見るだけでも面白いと思います。陶芸関係者も興味津々でした。
第19回 天草大陶磁器展 備忘録_e0203580_13543642.jpg
第19回 天草大陶磁器展 備忘録_e0203580_15413325.jpg
第19回 天草大陶磁器展 備忘録_e0203580_13561103.jpg
展示即売会場は17時まで。ですが、この日も18時から天草市民センターホールでお楽しみがありました。
「向井山朋子 ピアノコンサート Love Song 2023」 ツアー初日がこの日の天草公演。リーフレットには、
゛ピアノを弾きながら日本各地7箇所を周り、土地と人の魅力を伝えて活動する女性、クリエーターたちを訪ねる向井山朋子の旅(ツアー)です。陶磁器、染色、建築保存、食、手仕事、伝統芸能、多岐にわたる分野に関わり、活躍する彼女たちの話の中には、つなぐ、原点、バトンを渡す、回帰といった共通のキーワードが聞こえます。美しい日本の秋の旅をご一緒しませんか?これからどう生きるか、のヒントを探しに。”
とあります。天草は丸尾焼の金沢弥和氏の名前が載っています。
゛「〇〇〇に行く」と決めた時から旅は始まっている ”最近、共感した話なのですが、私にとってのコンサートも同じでした。向井山さんが天草でコンサートをされることになって、チケットを取った時から始まっていました。リーフレットで女性に言及していること、国単位の枠組みではない共通項で連帯することを今の時代を生きるキーワードとして考えたりしてこの日を迎えました。
第19回 天草大陶磁器展 備忘録_e0203580_21301546.jpg
開場。椅子が柔らかくて、じんじんと疲れた足が解放されて、音楽に身をゆだねるのを待ちます。はじめに本渡中学校の合唱部と綾南中学校のハンドベル部とピアノ(向井山さんではありません)演奏による「Scarborough Fair」好きな曲。毎年陶磁器展中はそれにかかりきりでニュースに触れる時間が減り、それでも生で音楽を聴いていると戦地のことを思い、同じ世界に生きていることを(想像するのは難しいけれど)考えました。「Scarborough Fair」からの向井山さん。中学生の皆さんのパフォーマンスは個として立っている感じが良くて、それを称えるかのように向井山さんが登壇されてその立ち姿が観客ひとりひとりと対峙するようでかっこいい。最後に演奏した20分くらいの曲が一番好き。ジャリーロ?記憶とメモを頼りに調べるけれど正確なセットリストはわからないままです。人に説明できる口ずさめるメロディを取り出すのは難しくあの日あの時間あの場所にいられて良かったとしか言えません。贅沢でした。また聴きたいです。
ツアーは11月23日の高知県赤岡町での公演まで続きます。リマスター発売されたばかりのデビューアルバムを買ってサインしていただきました。
陶磁器展では毎回無料の託児サービスをNPO法人子育てネットワークわ・わ・わさんが担当されていて、ご利用中のお客様に何人もお会いしました。
向井山さんのコンサートも託児サービスがあってすごくいいなと思いました。
第19回 天草大陶磁器展 備忘録_e0203580_21285704.jpg
11月4日土曜日
この日も市民センター玄関前、物産店と屋台村の前ではおもてなしイベントが一日2回催されました。幸せの黄色いチューバ本橋隼人さんが飛び入りパフォーマンスされるので陶磁器の展示即売会場の体育館でも急遽演奏していただくことに。「体育館の上の観客席をご覧ください~」アナウンスが耳に入らなくてもチューバの音で気づかれたようでした。おもてなしイベントでは毎年ハイヤ踊りも見られますよ。
うつわが少なくなり「そういえば・・・」仕舞っていた雛人形のことを思い出して何組か持ってきました。折を見て並べていたのですが陶磁器展の時期はちょうどいいかもしれない思ったところです。メモ。時々作りたくなるんですよね。
第19回 天草大陶磁器展 備忘録_e0203580_16290862.jpg
今日明日はキム・ホノさんがハンドドリップで淹れた珈琲をキム・ホノさんのうつわで飲める「Kim Café」(hocolovuさんのクッキー付き)カフェコーナーにオープン。2日間とも飲めました。キムさんのうつわは好きでいくつか持っていています。どっしりしているのだけれどうつわの中に空洞があるかのようなふわっと浮いてしまうような・・・う~ん正確に説明できないのですが独特の使い心地と存在感があるのです。今回、岐阜県恵那市の milou(ミル) さんのブレンド深入りの豆を使っていらっしゃいました。~大学生の時に青春18きっぷで恵那峡を訪れたことがあったな。珈琲を飲みに旅するのも楽しそう。~──美味しくほっと過ごせる一杯でした。

今日の18時からは講演会。日比野克彦氏(アーティスト・東京藝術大学学長) × 三上亮氏(東京藝術大学学長)の講演「土が人に教えてくれること」
副題~ 東京藝術大学「DOORプロジェクト」アートと福祉、福祉とアート~
DOORプロジェクト本渡看護専門学校でも今年度からスタートしています。※「市政だよりあまくさ」8月号の天草市長コラムでも紹介されていましたよ。
私はワークショップに立ち会っていませんが11月5日に行われたようです。2000年~に天草で開催された県民文化祭で日比野さんによるアートプロジェクトに似ているのかな?2000年その時みんなで作ったものが天草市民センターのホール入り口にある壁画の前の床下に「世羅密教」(せらみっきょう)という作品として展示されています。透明の板が経年の影響なのか不透明になってきたのを改善し、当時の搬入の様子や壁画の制作の模様の映像も陶磁器展期間中公開しました。
第19回 天草大陶磁器展 備忘録_e0203580_22094452.jpg
日比野さん変わらないと思っていたけどさすがに若いです。世羅密教のワークショップ、磁器のタイル作り、窯焚き、天草に来て丸尾焼で修行を始めたばかりの頃に不慣れな事や興味深いことがたくさんあって印象深い思い出も多いです。
第19回 天草大陶磁器展 備忘録_e0203580_22061808.jpg
第19回 天草大陶磁器展 備忘録_e0203580_22052596.jpg
講演に戻ります。
冒頭に日比野さんと三上さんがこの日天草で一緒に講演されるまでの経緯や、お二人でされたVRと陶芸と茶道の話など。三上さんとろくろの間にカメラを設置。ろくろで茶碗を作る所をVRゴーグルを装着した日比野さんが三上さんになったつもりでリアルに粘土を触る。これを茶室で体験してもらいゴーグルを外すと焼きあがったうつわがそこにある!こんなことを何人かに体験してもらったそうです。この場合の粘土に触れることのリアルはどんな感じなんでしょうね。身体の感覚から福祉の話にもなり、来場された方はご家族がうつわの丸みで穏やかになったご経験を話されていました。作り手には希望を感じる嬉しいお話でした。確かに、粘土に触ることで体力が消耗しても心が疲弊することは無い、むしろ逆だと感じています。コロナ禍に再認識しました。

そのあとは三上亮氏が前日に天草入りされて講演会当日の昼間は天草のフィールドワークへ行ったお話。出先で気になった場所の写真の紹介がありました。それらを見ていて何年も前に陶芸家の鯉江良二さんと若手の何人かで苓北の海辺に行ったこと、天草はいい素材があると今までにも伝えてくれる方がいたことを思い出したり。三上さんのお話で覚えている話を書き連ねておきます。
・東京藝大の陶芸科はろくろ技術の習得が必須。
・無人島に行き、そこにあるものを使って焼き物を作れるかを陶芸をする「構え」として学生に問う。無人島があるので天草でもできそう。
・陶芸はろくろ成形のように内からの力を使うけれど塑像は上から粘土をつけ足したり外からの力で形をつくる。

この感覚は陶芸家あるあるかもしれません。内側からの力がもたらす土の表情について陶芸家 松崎芙美子氏の天草での講演(2009年?)の際にも話題が出ました。私は有機的な自然なふくらみは中からの、堅さや無機質な感じを出す場合は外側からの力を意識しているかも。
人の顔のふくらみは裏から押して作るとリアルに作れるんですよというお話をされた流れで急遽、翌日の午前中に磁土でマスクつくりのワークショップをすることが決まりました。実際参加した人に後から写真を見せてもらったが面白そうでした。次の機会があれば参加したいな。

あと、土から焼き物になるまでのプロセス、記憶が大事ということを話されていたと思います。
ひとつの焼き物を目の前にして時代背景や使われた土をどういう技術で手順で作ったかを想像する。「土が人に教えてくれること」は抽象的な事ではなくそういう具体的な事。その想像があっているか推測通りか本当のところはわからなくても物語を感じるものかどうか。(こんな話だったかな?)

惹かれるもの、好きな物や事には、あーではないか、こーではないかと時間を忘れて物語を探してしまう。オタクとかマニアとかファンに通ずるようにも思います。ものづくりの道が違えば研究者の仕事になるのでしょう。通底するものも多いように思います。時間の経つのも忘れてしまうようなことを陶芸で続けていけたらと思います。

11月5日日曜日
第19回 天草大陶磁器展 備忘録_e0203580_16180782.jpg
午後1時に体育館でサプライズコンサート。ピアニスト 中川大氏とサックス奏者の方(すみませんお名前がわかりません)による「This is me」のあと、声楽家 志岐由理子氏が加わって「アメージンググレイス」「誰も寝てはならぬ」の3曲ご披露いただきました。お買い物途中の皆さんも体育館の上の観客席を見上げて音楽に時間が止まったようでした。たくさんの拍手と良かったねという会話があちこちで聞かれました。昨日のチューバ演奏にこの日の素晴らしい歌声!演奏者や音響他、関係者の皆さんには感謝です。ライブで聴く音楽ってやっぱりいいものです。
そのあとは市民センター玄関前のおもてなしイベント、剣道場での書道パフォーマンスとハーモニカ演奏のコラボと次々と続きました。
第19回 天草大陶磁器展 備忘録_e0203580_13565603.jpg
丸尾焼さんが会場となっている大坊珈琲は4日と5日に一日3回の開催でしたが幸運にも開催終了後の夜に陶芸関係者向けに場を設けてくださいました。
大坊さんが焼いた豆4種をブレンドしたものを使った、豆20gで100cc抽出したものとチーズケーキが付いた、豆25gで50cc抽出の2杯が出されました。2杯目を待つ間は大坊さんの所作を眺めたり味わいや香りやうつわのことを話したり。
みなさんに珈琲が行き渡ったあとに質疑応答の時間があって、大坊さんにとっていいコーヒーカップとは?とかブレンドの豆の選び方は?などいくつかの質問に答えられて、自分で飲む珈琲は焙煎の変化を確認するテイスティングであるというような話など良い話を聞くことができました。
口の中にひろがる余韻を確かめながら大坊さんの珈琲の話をお聞きしていると4日の講演で三上さんが話されたプロセスのことが頭に浮かびました。
一杯の珈琲が目の前に置かれて味わうまでのプロセスを想像する愉しさの扉がすこし開いた気がします。
第19回 天草大陶磁器展 備忘録_e0203580_22033481.jpg
今回初めてデミタスカップを焼きました。また作ろうと思います。

11月6日月曜日
最終日。16時までの営業です。期間中では唯一の雨模様の一日でした。搬出作業に取り掛かれば、遠方までの移動を控える出展者もいらっしゃるしバタバタのうちに解散となりますので朝礼の時に実行委員の方から関わってくださったみなさんへ挨拶がありました。
振り返ると、毎日のように楽しみにしてくださっていたとかお客様といろいろとお話を伺えました。私のブースのうつわもおかげ様で少なくなっておりました。この日は悪天候で平日にも関わらずたくさんのお客さまがご来場されたのもありがたいことで、もうひと踏ん張りして臨みたかったな。
年を重ねてマイナスなことばかりではないと示してくださる先輩方に学ぶところが多い。
身体を傷めない使い方とか体力維持も仕事のうちと日々の心掛けとしましょう。そんなお手本のような大坊さんキム・ホノさん御一行様を正午ごろ市民センター前でお見送りしました。仕事への姿勢や言葉が残っています。また来ていただきたいなぁ。
ゲストのみなさん、出展者のみなさん、関係者のみなさん、どうぞお元気で。
ご来場いただいたみなさまも、またお会いできることを楽しみにしております。ありがとうございました。

陶磁器展は来年20回目の開催です。
うつわを買う予定でなくてもカフェとして利用してもいいしランチ目当てでもいい。入場無料の講演もある。会期中通えばお金を使わなくても天草の文化・芸能・食とに触れられる。もちろん、お買い物してくださる方のおかげで開催が叶うわけですが。格差社会とか物価高とか低賃金とか差別とか沢山の世知辛い話、理不尽な話が聞こえてくるような時に、文化的な豊かさに触れられる公共性の高いイベントを続ける意義は大きいのではないかなと思います。今回良かったのは公演、講演がすべて展示即売の営業時間後の18時からだったので出展者でも参加しやすかったこと。私にとって生業と学びと出会いのつまった5日間でした。

第19回天草大陶磁器展の備忘録でした。
店の再開のお知らせができるように準備中です。
時々は近況報告の更新もしますのでまたご覧いただければと思います。


# by ichiymakujiraya | 2023-11-18 23:02 | 天草